LIFE SHIFT(ライフシフト)
最近よく聞く人生100年時代ってなんだかよくわからないと言う人や老後の不安が無くならないと言う人には今のうちから対策方法があります。
今回はそんなことが書かれた本であるLIFE SHIFT(ライフシフト)という本を紹介して行きたいとおもいます。
本書はLIFE SHIFT1とLIFE SHIFT2の2冊に別れていて1では人生100年時代って何とかどういうことが大事なの?というような内容が書かれていって2では具体的な行動はどうすれば良いのかということが書かれています。
著者はリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットの共著でリンダさんは世界で最も権威のある経営思想家の50人に選ばれるほどの有名人です。
また、LIFE SIFT1は2017年にビジネス書グランプリで総合グランプリを受賞した本で人生100年時代の戦略本としてムーブメントを起こしました。
では本書について要約をしていきたいと思います。
人生100年時代って何?
人生100年時代と聞くとなんだか嬉しく感じる人も多いと思います。
確かに老後の時間が増えることはとても優雅に感じますし、65歳で定年になったとしても100歳までの45年間という長い時間を仕事に追われることなく過ごせるのはすごく得した気分になるでしょう。
しかし本書では人生100年時代というのはただただ自由な時間が増えるから嬉しいと言うことではなく残りの45年間準備をせずに突入してしまうとお金が足りなくなってひもじい生活をすることになってしまうよ。と言う夢も希望もないことを言い出すのです。
年金は積み立てるものと思っているかもしてませんが大きな認識の違いがあり本来は保険の役割なのです。
これは長生きして生活費が足りなくあってしまうことに備えたリスクヘッジになるのです。
年金についてはこちらの記事で詳しく解説しているので読んでみてください
では本書の結論をお話すると一つの場所に留まらないワークスタイルを身につけることがおすすめされています。
ではなぜこの結論になるのかと言うお話をしていきたいと思います。
本書の内容は以下のとおりです。
将来どうなるの?
先程から人生100年時代と言われているけれど具体的にはどんな将来になるのでしょうか。
今現在100歳の人というのは1920年に生まれた人でその割合と言うのは1〜2%ほどと言われています。
これだけ聞くと100歳まで生きる可能性というのは限りなく少なく、クラス30人の学校だとしたら3クラスの中で1人か2人くらいと自分に降りかかる可能性をあまり考えなくても良いように感じるかもしれません。
しかし、科学や医療の発達や社会の仕組み、食べ物の安全性などが目まぐるしく進化した現代では2007年生まれの人が100歳まで生きる可能性というのは50%まで上がったと研究の結果が出ています。
つまり若い世代の人たちはクラスの半分くらいは100歳まで生きるということになります。
なので100年時代と言うのは本当に自分のこととして見ることが大切ですし、100歳まで生きなかったとしても寿命が伸びていることには変わりないので長生きと言うリスクにはしっかりと対応しておくことが大切です。
人生のステージが流動的になる
では人生100年時代に突入してることはわかったけど100年時代だとどんなふうになってしまうのかということをお話していきます。
結論から言うと今までの働き方は古い考え方になってもっと自由な働き方が求められる時代になります。
内容を見ていきましょう
親世代
これまでの従来の働き方というのは20歳前後まで学校で勉強をして60歳まで社会人として雇用され、その後引退という固定化されたフェーズのテンプレートがありました。
そして高校や大学で学んだことは社会人の間ずっと使うことができる知識として通用してきました。
つまり最初の教育のフェーズで知識をつけるけることであとの仕事のフェーズや引退したあとも困ることがない時代でした。
人生100年時代の世代
しかしこれからの世代はこの「教育 →仕事 →引退」という固定されたフェーズというのは古い考え方になり、もっと柔軟なライフスタイルが求められるようになります。
これは大手の会社であるみずほ銀行や、UGJ銀行、オリンパス、富士通などはリストラをはじめていて世界のトヨタでさえも社長が終身雇用は無理だと発言しているくらいなのです。
この状況を考えると時代は「教育 →仕事 →引退」と言う固定のフェーズが崩壊していて教育と引退の間にはサラリーマンと言う働き方の他にも起業や大学に通い直して学ぶ、休むなどのフェーズを入れ込み時代にあった業界や働き方に自分自身を合わせていくことがこれからの課題になってくることがわかるでしょう。
つまり、人生100年時代の働き方は多様性に富んでいて「教育 →サラリーマン →休み →起業 →サラリーマン →引退」のような人生もこれからは普通になってくるということです
そして特にこの状況を加速させるように技術の進歩の速度が加速度的に上がって行ったり、情報流通量が多くなってきています。
また、先程行ったように健康寿命は伸び、年金は減って行きます。
これは日本がどうとかではなく世界的に起こってくる現象なのです。
つまり親世代までは高校や大学で学んだことがことが一生涯使うことができる知識になったのですがこれからは途中で学び直したり、働きながら学ぶばないとどんどん蹴落とされる時代に突入したということです。
そして、この波に乗らないと働く期間は増えて行くので嫌な仕事を長い期間することになり、AIに取って代わる仕事というのは単価が下がって行くので給料も安くなって行くと言うことなのです。
つまりは新しい業界のことや自分ができることについて勉強をし続けないと長期間、嫌な仕事を安い給料でやることにあってしまうということです。
無形資産が大切
ここまでかなり煽って来ました。
ではどうすればこの状況を打破できるのかと言うお話をしていきます。
結論から言うと無形資産という仕事のスキルや健康、人間関係、人脈を作って行きましょう。
有形資産とは
まず無形資産と有形資産の違いについてお話します。
有形資産とはすぐにお金になる物を言い、具体的には現金や株、不動産などを言います。
これらは親世代までは重要視されていた資産でこれらがあれば人生や老後は安泰だっと考えられていました。
無形資産とは
次に無形資産とは形のない資産のことで生産性資産、活力資産、変身資産などがあります。
つまり仕事のスキルや健康、人間関係、人脈などが無形資産に当たります
これらの資産はどちらも大切なのですがこれからの時代は徐々にその重要度が有形資産から無形資産へとシフトチェンジしていくことが予想されています。
なぜ無形資産?
ではなぜ無形資産が大切なのでしょうか?
人生において老後の楽しみといえば健康的に過ごすこととコミニュティに属することです。
有形資産をたくさん持っていて無形資産を持たない場合、お金はたくさんあるけれど健康は害していて人間関係も悪く人脈もないとするとお金や不動産はどんどん消費していき、最終的には何も残らなくなってしまいます。
また株に関しても今までは上昇局面なので良いかもしれませんが価値が減って行かないという保障はどこにもありませんし、良い株や良い投資信託を選べる保障もありません。
良い投資信託を選ぶ最低限の基礎知識ついてはこちらの記事にまとめていますので読んで見てください
また投資信託を使ったFIREという働かなくても言い人生設計についてはこちらの記事を読んでみてください。
しかし無形資産についてはどうでしょう?
一旦働きたくないと言う感情はおいておいてもし老後の資金が足りないと言う場合について考えます。
仕事のスキルや健康があれば老後にお金が足りなくなったとしても働くことが出来ますので野垂れ死んだりひもじい思いをしなくてもすみます。
また、人間関係が良好であれば子供や孫に面倒を見てもらうことも出来ますし、人脈があれば新しいビジネスもできるのです。
つまり有形資産は消費されて人生が詰んでしまう一方で無形資産は生きるために必要な有形資産を生み出してくれるのです。
このことは4つの口座ということで詳しく掘り下げた記事がありますのでこちらも合わせて読んで見てください。
無形資産の育て方
では無形資産が大切なんはわかったけど何をすれば無形資産は溜まっていくのかについてです。
結論はワークライフバランスを整え旅や副業、起業などに挑戦しましょう
無形資産を手に入れるためにまず必要な物は時間を作ることです。
なので本業でずっと残業をしていたり、休みの日にずっと寝ていたり、ゲームやテレビに明け暮れることは無形資産を作る上ではあまりいいことではないでしょう。
例えば残業をすることというのは時間を引き換えにお金という有形資産を手に入れることです。
もちろん仕事のスキルは身につくかもしれませんが本業で身につくスキルはできれば就業時間の間で身に付けることができるので残業で身につけられる仕事のスキルは少ないでしょう。
また休日にずっと寝ていることに関しても前の日の残業やゲームで起きれないこともあるでしょう。
これでは無形資産を育てることが出来ませんのでこういうことに使う時間をセミナーなどに参加したり、地域の集まりやボランティアに参加したり、ジムに行って健康的な体を作ることに意識を向けることで老後の生活は激変してくるでしょう。
また、時間を確保することで副業をすることも出来ます。
今はウーバーイーツやせどりなどの副業でお金を稼ぐ人も多いですし、ブログやYouTube、ハンドメイド、プログラミングなど様々な副業ができる時代です。
こういった知識や技術を取りに行くことはとても大切なことであると思います。
ただ、高額な情報商材などの詐欺には十分に気をつけなければいけません。
10万円の情報とかは多くの場合詐欺なので引っかからないようにしましょう。
あとは人脈を広げると言う意味でも英語の勉強をして海外旅行をするというのもいいでしょう。
新しい発見や価値観に触れることが出来ます。
テクノロジーの進化と高齢化社会
最後にテクノロジーや高齢化社会について見ていきましょう。
こちらの内容はLIFE SHIFT2の内容になります。
AIの苦手な分野
まずテクノロジーの発展により、人間の仕事というのはどんどん入れ替わっていきます。
例えばトラックの運転手は自動運転の技術が進んできているので近い将来AIに置き換わるでしょう。
また、今現在でもレストランではタッチパネルを利用したり、コンビニはセルフレジが多くなってきてこの辺も時間の問題で無くなっています。
つまりこういったAIに置き換わるような仕事の技術というのは今後全く使えなくなる技術なのです。
ではどういった仕事が無くならないのかと言う話ですがこれは定型業務がどれくらいあるかによって大部分が決まります。
例えば飲食業の場合、注文を取る→料理を運ぶ→会計というのはマニュアルで決まった流れになります。
AIというのはこういったマニュアルがある定型業務を得意とします。
一方教育に関しては授業の内容はその受講生の理解度によって変わってくるのでマニュアルが作りづらい業種です。
定型業務の割合は飲食業が75%に対して教育は25%と言うデータが書いてありました。
このように定型業務というのはどんどんAIが持ってってしまうのでこういった仕事は選ばないことともしこういった仕事をしている場合は転職か定型業務が少ない役職や部署に行く努力が必要になります。
ただAIは定型業務は得意ですが答えが複数あるような作業が苦手です。
例えばAというプランとBというプランのどちらが効率的かを選ぶことに関しては得意なのですがAプラン、Bプランを作り出すことは苦手なのです。
こういった創造する能力や文字の意味を理解することに関してはAIには一生できないと言われているのでワンパターンにならない仕事は今後も稼げる仕事になるでしょう。
物語、探求、人間関係を高める
では具体的に何をすれば良いんかについてですが本書では物語、探索、人間関係を高めるように人生を設計することが大切であると言うことが言われています。
物語を高める
物語というのが先程言った「教育 →仕事 →引退」というライフステージの変化だけでなく様々な可能性や選択肢について触れマルチステージの人生設計を行いましょうということです。
つまり自分自身が何について興味があり、どういったことができるのか、または自分のアイデンティティが何なのかを把握してそれを元に人生設計を行いましょうということです。
何よりも自身を見つめ好奇心が沸き立つことに対して積極的にトライすることが大切で小さなことをちょっとずつやっていきましょう
例えば今自分自身がウエイターをしている場合、本当にその仕事が自分にあっているのかや本当に興味があることなのかを改めて考え直し、パソコンが好きなのであればプログラミングの勉強をまずは初めて見るなど人生設計に必要な思考を洗い出していきます。
探索を高める
次に探索は学習や変化を重ねることで職種や職業を変化させていくことです。また、AIや長寿命化でそれが出来なくならないかを考えましょうということです。
学習をしていく中でできることや出来ないことを洗い出したり、転職や部署の変更して自分を高めていくことが大切だということです。
また転職をするにしてもテクノロジーの進化や高齢化でその仕事が無くならないのかを常に監視しておくことが大切でもしその兆候が見られたら物語に戻って再度自分の興味関心や人生設計を練り直しましょう。
人間関係を高める
最後に人間関係についてですが家族や世代を超えた人間関係を構築することがとても大切になります。
これは先程言った無形資産をためていくと言う部分に共通して人生のリスクヘッジになると共に自身の幸福感や満足感に直接関わってくる内容になります。
特にその場だけの浅い関係だけではなく深く長期的な関係というのは無形資産の価値は高くなります。
時間を作ってコミュニケーションを取ったり善意の行いでこの人間関係は高めることが出来ます。
以上3つの物語、探索、人間関係をバランス良く高めることが人生を豊かにし安全なものにするために必要な思考方法になるでしょう。
これらを客観的に見ることが大切でこの業界は大丈夫だとかその企業はなくなると言う主観的で感情的な判断は時に自身の破滅を助長しますので気をつけましょう。
何事もリスクの少ないことから挑戦して見て少しずつ学びながら自分自身の居心地のいい場所を作っていくことが人生100年時代を生き残ろための最大の思考術なのです。
まとめ
LIFE SHIFT(ライフシフト)と言う本を要約してきました。
人生100年時代に必要な思考方法が書かれた本です。
この本は100年生きれるから嬉しいという本ではなく、100年生きるけど生活費大丈夫?と言う本です。
これまでの社会構造は崩壊し、年金もあてにならないからこそ自分で生き残ろうということが書かれています。
正直、読んでいないと将来、高確率で破産するんじゃないかと思うくらい人生というルールが変更されています。
それを乗り越えるための思考方法とは人生をもっと流動的に考えたり、お金だけでなく仕事のスキルや人間関係が今後必要であることを知ったり、テクノロジーや高齢化のの影響で自分の仕事について考え直すことが大切です。
そして何よりも人生を豊かにするために家族や友人と長期間の関係を築きましょう。
-参考図書-
以上