『サマーカットにして!』と言っては行けない理由

毎年夏になると、トリミングサロンで最もよく聞く言葉の一つが「サマーカットにしてください!」です。
でも、その一言が後悔のもとになることがあるってご存知でしたか?
トリマー歴12年・コンテスト入賞経験のある私が、「サマーカット」という言葉がはらむリスクと、後悔しないためのイメージ共有の方法を徹底解説します。カットをお願いする前に、ぜひこの記事を読んでおいてください。
サマーカットとは!?

実は「サマーカット」という言葉には、公式な定義がありません。
トリミング業界では「夏らしく、涼しげに見える短めのカット」のことを指す場合が多いですが、その「短さ」の基準はトリマーによって、またサロンによってかなり異なります。
つまり、飼い主さんがイメージしている「サマーカット」と、トリマーが想定している「サマーカット」の間には、大きなギャップが生まれやすいのです。「なんかイメージと違う…」「思ったより短くなりすぎた」という声は、この認識のズレから生まれることがほとんどです。
サマーカットのデメリット

サマーカットにはメリットだけでなく、知っておきたいデメリットもあります。特に注意が必要なのは以下の点です。
- 皮膚へのダメージ:被毛は紫外線から皮膚を守るバリアの役割を果たしています。短く切りすぎると日焼けや皮膚トラブルのリスクが上がります。
- 毛が生えてこない・毛質が変わる:バリカンで剃ったり極端に短くカットすると、毛の生え方が変わることがあります。これを「ポスト・クリッピング・アロペシア(PCA)」といい、ポメラニアンなどで起こりやすいとされています。
- 冷えすぎる:エアコンの効いた室内では、被毛がないことで体が冷えすぎてしまうこともあります。
- 虫刺されのリスク:毛が少ないと肌が露出し、蚊などの虫に刺されやすくなります。
イメージを共有

後悔しないためには、カット前のイメージ共有が最重要です。
最も効果的な方法は「写真を見せること」です。SNSやトリミングサロンのInstagramなどで「理想の仕上がり」に近い写真を保存しておき、トリマーに見せましょう。写真と合わせて伝えてほしいのが「具体的な長さ(ミリ数)」です。「少し短めに」という表現は人によって感じ方が違います。「3cm残して」「バリカン9mmで」のように具体的な数字で伝えると、ズレが大幅に減らせます。
- 写真を見せる
- 具体的な長さ(ミリ数)を伝える
トリマーが思うイメージ

参考までに、プロのトリマーが「サマーカット」と聞いたときにイメージするミリ数の目安をご紹介します。
犬種によって異なりますが、一般的には胴体部分で3mm〜9mm程度のバリカンを使ったカットを想定することが多いです。
試しに「トイプードル 9mm カット」や「ポメラニアン サマーカット」などで画像検索してみてください。「こんなに短いのか!」と思われる方も多いはずです。これがトリマーと飼い主さんの認識差が生まれやすい原因です。
ポイント


最後に、プロトリマーの立場から重要なポイントをお伝えします。
一度バリカンを深く入れると、毛質が戻らない可能性があることを必ず頭に入れておいてください。「短くしたけどやっぱり戻したい」と思っても、元に戻るまでに1年以上かかることもあります。
また、毛質の変化を防ぐためには日頃のスキンケアも大切です。皮膚の血行を促すマッサージを習慣にすることで、健やかな毛の発育をサポートできます。さらに、カット前のシャンプーの質も仕上がりに影響します。自宅でシャンプーをされる場合は、必ず犬専用のシャンプーを使用してください。


まとめ

今回のポイントをまとめます。
- 「サマーカット」に決まった定義はなく、トリマーとのズレが起きやすい
- 短すぎるカットには皮膚ダメージ・毛質変化・冷えなどのリスクがある
- 後悔を防ぐには「写真+具体的なミリ数」でのイメージ共有が最重要
- 一度深くバリカンを入れると、毛質が元に戻らないこともある
「サマーカットで」のひと言だけでなく、ぜひ写真と長さを持参してトリミングサロンへお越しください。ドッグサロン てぃーつりーでは、カット前のご相談を丁寧に承っています。宮古島でトリミングをお考えの方は、お気軽にお問い合わせください🐾


