暴落時に損をしない思考法と行動
株や債権や金、暗号資産がどんどん下がって今までの含み益が無くなっていったり、マイナスになってしまう人もいらっしゃると思います。
特に儲かるからと思って株を積み立てていた人は暴落をモロに受けているのではないでしょうか?
投資を長く続けていると必ず遭遇するのが暴落や弱気相場です。
そんな時にどのような考え方をすれば良いのか。今回はメンタル的な部分や具体的な行動についてお話していきたいと思います。
当ブログ筆者自身も株で資産運用をしていますし、10年くらいの相場経験があります。
最近は株のブームが本格化していて株を持っていないと損をしていると言う風潮がいろんなところで聞こえてきます。
しかし、インフルエンサーの声を聞くと株を持っていないのは機会損失であり全力で株を買うことが一番であると言う少し極端な考え方が横行しているのではないかと思っています。
もちろん資産運用の目的によっては全力で買い向かうというやり方が正しい場合があるのですが僕自身は否定的です。
今回は暴落してしまった時に取るべき行動やメンタルの維持の仕方についてまとめて行きたいと思います。
まず結論から言うと資産運用は短期売買のギャンブルをしないことが大切で本来の想定が崩れないのであれば持ち続けましょう。
そして暴落時にこそ自分のリスク許容度が明るみにでるのでポートフォリオのリバランスをしていきましょう。
ではこの結論に至る理由についてお話していきます。
今回はこんな流れでお話をしていきたいと思います。
- 長期インデックス投資って何?
- 暴落の歴史
- 目的の再確認
- 手段の再確認
- 世界は良くなり続けている
- 撤退のポイント
長期インデックス投資って何?
資産運用
まず資産運用と聞くと資産を株や債券、金などに分けておいて現金だけで持っているよりも多くの利益をもたらしたり、リスクを最小限に抑えるような考え方です。
またその中で長期インデックス投資と言うやり方があり、ある指数に連動している株や債券、金などの金融資産を購入し長期で保有することを長期インデックス投資といいます。
ここででてくるある指数とは世界の株を時価総額で並べてその比率を指数にしていたり、アメリカの株の500社を指数にしているのでそういった指数のことを言います。
たまにニュースで見る日経平均というのは日本の企業の225社を集めた指数でこれが日本の経済指標になるのでこういった数値が発表されます。
これらの指数はたくさんありその指数に連動するように株を買ってくれている詰め合わせセットというのが投資信託になります。
投資信託についてはこちらの記事を読んでみてください。
そしてこの指数というのは今後の経済を占う指標になりますので今後の見通しが悪くなってしまうと株価が下がり、買っていた株や投資信託もどんどん下がってしまいます。
これを暴落と呼んだり、長期的に続く場合は弱気相場とも呼ばれます。
暴落時の反応
この時には市場ももう株は終わりだと言うような弱気な発言をして、投資を始めたばかりの初心者はどんどん不安になっていきます。
当ブログ筆者も最初の方は弱気相場になるたびに積み立ててきた投資信託や個別株を売却してきました。
しかしそういった弱気な発言はある程度下がって行くと割安じゃない?に変わってきます。
上昇局面は一瞬なので株を買い増そうとしてもそのときにはもう上がり切っていると言う経験を何度もしてきました。
このように相場と言うのは先を見通す指標なので更に先を読む力というのが必要になってきます。
では長期インデックス投資をする目的としては短期的に上下に株価が乱高下しますが長期的には右肩上がりであるから資産運用のために長期インデックス投資をやっているという方も多いと思います。
投資初心者が投資で勝つ方法で紹介しているので読んでみてください。
ここでも書かれている通りデータ的に見れば15年とか20年の長期で投資をすれば年利5%で運用ができるということです。
その中でも暴落というのは何度も起こっていてそのたびに元の価格に戻ってきました。
そしてその暴落時に買い増すことが出来たり、淡々と積み立てることが出来た人というのがこの年利5%と言う利益を得ることが出来たということです。
また、株を買っていた人で一番利益を得た人の第1位が無くなっていた人で2位が忘れていた人と言うデータも有り、長期投資を続けることが出来さえすればかなりの高確率で利益を生むことができるのです。
暴落の歴史
暴落の歴史を見るとどんな暴落がきてもまた元の価格に戻っています。
例えば1987年におきたブラックマンデーと呼ばれる大暴落がありました。
NYダウが大暴落したと言う話なのですが一日の暴落で−22.6%を記録した伝説級の暴落です。
おきた背景としては通貨不安や原油危機などの不安要素が複雑に絡み合っておきた暴落なのですが2年ほどで元の水準に戻りました。
また、2008年におきた記憶にも新しいリーマンショックがあります。
これにより世界的な金融危機が引き起こされました。
原因はサブプライムローンと言う低所得層の間で流行った住宅ローンシステムが返済できないことによる金融の危機でこれにより世界第4位であった投資銀行のリーマン・ブラザースが倒産したことによって全世界に波及していきました。
下落幅は1ヶ月で30%、2ヶ月で40%と戦後最大の暴落になります。
この暴落はかなり規模が大きくその期間乱高下を繰り返したのですが元の水準には5年でもどりました。
もちろん日本のようにバブルから30年間経過した今でも最高値に戻っていない指数もあるので必ずではありませんが経済が成長していれば元に戻って行くので経済力が落ちていないかが暴落時の一つのポイントになるかと思います。
そしてアメリカの弱気相場の平均は1980年以降の計算で11ヶ月で最大30ヶ月と言われています。
こういった情報がないと暴落がきた時にニュースやインフルエンサーの言うことを目の当たりにして判断基準がぶれて売ってしまうことになるのです。
暴落時は基本を思い出すようにしましょう。
目的の再確認
目的とは
では、資産運用を考える上で一番大切な部分である目的についてお話していきます。
人によって様々な目的がある資産運用ですがそれぞれどのようなことをするために資産運用をしているのでしょうか。
例えば老後の資金をためておきたいとか、車がほしいから運用して貯めて行きたいなどの理由があると思います
そんな中インデックス投資の特性上、上げ下げを繰り返しながら長期的に右肩上がりに推移していくのは先程少しお話をしてきました。
では暴落などの下がってしまったときや弱気相場に入って資産が目減りして行く時にどのような目的がよくてどのような目的がだめなのかということを考えて行きましょう。
いい例
まずいい例としてはかなり長期的に考えた老後の資産運用です。
先程も例に出した通り、長期インデックス投資では15年〜20年の投資期間を定額、定期で積み立てることによって価格が安定し、年利5%で持つことが出来ます。
これを短期でやってしまうと暴落した時に受ける力が強くなってしまって株価が半減した時に自身の資産が半減してしまいます。
しかし長期で積み立てることによって厚みができたて暴落に強い資産になります。
昔に安値で買った株が支えてくれている感じですね。
なので老後の資産を長期で積み立てることや年齢が上がるに連れ現金比率を高めるなどすれば十分な資産運用になります。
なので老後の資産をためて置きたいというのは資産運用はかなりいいでしょう。
悪い例
では悪い例として車がほしいから投資信託で運用しながらためたい場合を考えて見ましょう。
このやり方は車がほしい期間を決めなければいい方法である可能性があります。
例えば投資信託を定額で買っていき満額になったタイミングで買うのではなく株価が上がっていれば買うと言うやり方です。
もし株価が下がっていたら運用を続けると言う形でやっていけば先程も言ったとおり高確率で暴落から元の値段に戻るのでそのタイミングで買って行くのは一つの方法であると思います。
しかし、この日に車を買おうと考えている場合に暴落が直撃してしまったら元金よりもかなり大きな損失になってしまいます。
株価を読むことは一部の天才を除いては不可能なので自分にその才能があると過信せず、無難に現金を積み立てて行くことがおすすめです。
他にも家の頭金を支払わなければ行けないとか、子供の入学金、結婚式の費用などの期限が決まっている場合で15年以上資産運用期間が取れないのであれば現金で保有しておくのが無難な方法になるのかなと思います。
このようにお金が必要なタイミングで必要なお金を引き出す時に暴落している可能性を考えるとそれは丁半博打になりますので資産運用ではありません。
なので資産運用を含め投資信託や株、債権などの金融商品を購入する場合はその目的に資産運用が合っているのかをしっかりと確認する必要があるます。
目的に合った資産運用が出来ているのかを再度確認していくことで暴落時に暴落した状態で売らずにすむでしょう
手段の再確認
次に手段の再確認です。
暴落に見舞われた際に後悔するのは資産のアセットアロケーションをリスクが高い状態で持っていることです。
アセットアロケーションとは
アセットアロケーションというのは現金や株、債権、不動産、金などの自分が持っている金融資産の比率のことです。
例えば全部で100万円の資産を持っていて内訳が現金40万円、株30万円、債権20万円、金10万円分持っている場合、現金40%、株30%、債権20%、金10%と言うアセットアロケーションを作ることが出来ます。
こういったポートフォリオは比較的健全なのですが例えば株90%、現金10%となっている場合、暴落時に買い増すことは難しく歪なアセットアロケーションになってしまっています。
特に株は上昇局面で値上がりしやすいので単純に50%づつ増やしても多くなりやすい特性があります。
たまに人の手を加えながら自分の心地よい比率に戻していく必要があります。
年に1回は比率をしっかりと確認しながら、できれば購入する額を買えながら比率を一定にしておくと良いでしょう。
また暴落時にこんなに下がると思わなかったと言うような意見をよく聞きます。
その場合はアセットアロケーションを根本的に考え直す必要があります。
株価暴落の基準
SP500などの投資信託の指数は一つの暴落で50%ほど下がることが予想されます。
この50%というのがリーマンショッククラスなので一つの指標として覚えておくと良いでしょう。
つまり株のアセットアロケーションの部分は50%下がったとしても気が動じないくらいの額に抑えておく必要があります。
例えば1000万円の資産を持っている人が現金10%、株90%で運用していた場合、リーマンショック級の暴落がきた場合、資産は550万円になります。
これは心穏でいられる人は少ないと思います。
しかし同じ状況で現金80%、株20%で運用していた場合は900万円になります。
100万円は大きい額ですがほぼ半分になった前者とは雲泥の差が生まれるのです。
もちろん自分の心地よいアセットアロケーションを設定すればいいのですがリスクの考え方がわからないという方はこちらの記事を読んでみてください。
金融資産のバランス
また、アセットアロケーションの比率は年齢や環境、性格によって変わってきます。
そのへんの基本的な考え方や具体的な金融資産のバランスについてはこちらの記事を読んでみてください。
暴落している最中にこそ自分がどれだけリスクをとっていたのかがわかると思います。
そのリスクは体験してみないとわからないもので自分はリスクに強い人間だと思っていても暴落すると我慢できなくなり売ってしまったり、逆にリスク許容度が強くないと思っていても案外余裕で暴落を乗り越える方もいます。
初めて投資をやると言う人は少額から始めることと必ず余剰資金で投資をしていくということは徹底してワクチン接種のように暴落を軽く体験しておくと今後の暴落に耐性がつくと思います。
世界は良くなり続けている
また、思っている以上に周りは煽ってきます。
もう株式相場は終わりだとか、しばらく上がらないとか情報を集めれば集めるほどネガティブな情報が多くなります。
こういった声は自分に蓄えられた知識と経験と性格で処理できる許容範囲が決まります。
初心者の人は特に経験がなく、性格は人それぞれなので知識だけが武器になることが多いです。
暴落の歴史でも話したとおり暴落しても上がってきた歴史やファクトフルネスという世の中は良くなっているというような本を読むことでメンタル的も大きなアドバンテージが得られます。
ファクトフルネスの要約をこちらの記事でしましたので読んでみてください。
簡単に言うと人間はネガティブな情報を求める習性があり、それに怯えることで生き延びてきたので本能的に暴落で売ってしまう生き物です。
しかし、それは現実世界との乖離が大きく実際は世の中は良くなっているよ。というような内容で、しっかりとデータを元に解説している良書です。
長期投資家のバイブル的な本なので一度は読んでおくと良いでしょう。
撤退のポイント
最後にここまで暴落しても大丈夫と言ってきましたが撤退のポイントも見ておきましょう
結論から言うと国の崩壊と資本主義の崩壊、欲望の上限です。
国の崩壊
国の崩壊というのは国がデフォルトを起こすことで国が倒産すると言うことです。
そもそも借金があって首が回らないような国に投資をすることはおすすめではありませんし、そこに一点集中投資をすることは資産運用と言うよりギャンブルなのであまり良くないです。
もしもそういった国に投資をしている場合は国の情勢をしっかりと注視する必要があります。
ただ、国のデフォルトはちょいちょい暴落局面では言われることなので情報をよく見定めて撤退の判断をする必要があります。
また、全世界に投資をすることで一つの国が崩壊しても多少のクッションにすることが出来ます。
いろんな国に投資をすることで投資の格言である卵を同じかごに盛らずにすみます。
資本主義の崩壊
次に資本主義の崩壊です。
これはそもそも株式会社というものが資本主義的な考え方なので資本主義と言う考え方に変わる新しい考えがでてきたら株は価値を失うでしょう。
例えば社会主義や共産主義のようなみんな平等と言う思想が広まり過ぎたら株を持ていても全部持って行かれてしまい意味が無くなってしまいます。
今が資本主義の世界なので株が価値を見出しているということを忘れないようにしないとゆでガエルになってしまう可能性はあります。
欲望の上限
最後に欲望の上限に達したときです。
会社というのは需要と供給の中で利益を出しています。
この需要の元である欲望が無くなってしまった場合も株式は崩壊するでしょう。
例えば人類は早く移動するために車輪を発明し、馬車を発明し、車を発明し、飛行機を発明し、ロケットを発明してきました。
これは人類がもっと早く、遠くへ移動したいという欲望に応えた結果です。
これが経済に大きな力を与え成長してきました。
この欲望が無くなって人類はもうこのままで良いやとなった時に株式は崩壊します。
先程言った資本主義の崩壊とも重なるのですが需要や社会的な変革によって金融資産は崩壊して行くでしょう。
ただ今のところは問題がないのでこの辺のキーワードがニュースででてきたらしっかりと調べて学ぶようにしていきましょう。
世界経済の長期的な右肩上がりが長期投資家の見るべきポイントです。
生活を良くしたいと言うエネルギーが株式会社の源。このエネルギーが無くならない限り株価は上がり続けていくでしょう。
本来の想定が崩れないのであれば保有しておくことがベストの運用方法です。
まとめ
暴落している時、長期投資をやめてしまう人はかなり多いです。
ただ、長期投資をしているのであれば含み損を抱えることや一時的に下がることはよくあります。
これは株式相場というものは乱高下しながら長期的に右肩上がりだからです。
暴落の歴史を見ると数年で元の水準に戻ることが多いです。
また、目的が短期的な値上がりを目指しているのであればそれはギャンブルです。
長い目で投資をしていきましょう。
また、暴落が耐えきれない場合は自分の許容範囲を超えてリスクを取っている可能性が高いです。
暴落時だからこそ見える自分のリスク許容度をしっかりと把握しましょう。
世界は思っている以上によくなっています。
ネガティブなニュースに振り回され過ぎないようにしましょう。
ただ、撤退の基準は作っておくと良いです。
当ブログ筆者の場合は、国の崩壊と資本主義の崩壊、欲望の上限が撤退基準です。
-参考図書-
以上