【本要約】『21世紀の資本論』投資をしないと時代に置いていかれる

21世紀の資本論

R>G』という不等式をなんとなく見たことがある方も多いのではないでしょうか?

この公式は経済学者であるトマ・ピケティという方が現在の格差社会を生きる現代人の数値化しづらい違和感にデータを用いて問題提起しました。

そんな公式が書かれている本というのが今回紹介する『21世紀の資本』という学術書です。

この本を出版されたことで2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンをはじめ各経済学の専門家たちが絶賛するほどの本として有名になりました。

本書が出版される前までは100年というスパンで経済が研究されていて結論、労働をすることで富は拡大して行くというものでした。

つまり働けばお金というものは増えてみんな幸せという結果です。

しかし本書で言われていることはその意見は真向から否定されていて働くことで富が増えるスピードよりも資産が資産を生むスピードが大きいというものです。

つまり本書では汗水たらして働くよりも資産をたくさん持っている人が更にお金を増やしやすいという結果がでたよということです。

そしてその格差はどんどん大きくなっていくよということが書かれています。

なお、今まで1カ国や比較で2カ国の経済データを過去100年分のデータを研究していたのですが本書は世界20カ国、200年という膨大なデータを15年かけて研究した結果導き出したのです。

後者のほうが信頼性が高そうですよね。

この辺については後ほど解説していきます。

では本書の内容についてみていきましょう。

R>G

この本を一躍有名にしたのがこのR>Gという不等式です。

この公式が何を表しているのかというと『R』が資本収益率で資産の利益を表し、『G』が経済成長率で労働者の収入の伸びを表しています。

つまりRが株や債券、不動産などの資産を買った時に次の年にどれくらい増えているかというものでGが今の給料と来年の給料を比べた時にどれぐらい増えているかです。

その伸び率が『R』の方が大きいよという不等式なのです。

簡単に言うと働いてお金を増やすより株や債券などの資本の成長率の方が大きいと言うことです。

本書で言われているの200年のデータによると資産の伸び率は4〜5%程度に対して働いて伸びる収入は1.6%です。

そしてGの伸びでも1.6%あるから良いじゃんと思うかもしれませんがこの伸びというのは人口増加によるものが半分を占めてもう半分はテクノロジーの進歩だということなのです。

下記の図はアメリカのお金持ちの分布とその持っている資産の割合を表したものです。

21世紀の資本

まずトップ10%のお金持ちの人を上位階級と呼び、次の40%が中位階級、そして残り50%を下位階級としました。

そしてそのトップ10%の人のすべての資産のどれくらいの富を持っているのかというと70%もの富を所有しています。

また中流階級は25%の資産を持っていますがこのままR>Gが続くと格差は広がるため、中流階級は下位階級に押し込まれて上流階級の富は更に多くなっていきます。

R<Gの時代

では今まではなぜ労働で経済が発展し格差が縮まるとされていたのかというと人類史の戦争がここ100年頻繁に行われていたからです。

これまでの経済というのはどちらかというと頑張ったら頑張っただけ報酬がもらえる時代であったと言えます。

例えば勤続年数によって昇給があったり、終身雇用で退職金がもらえる時代などです。

この時代というのは『R<G』の時代です。

下記の図は世界の資本収益率と経済成長率の推移です。

21世紀の資本

古代から2100年までのグラフなのですが基本的には株や不動産などの資本収益率が大きいですが1913年にガクッと下がっています。

この大きな原因としては第一次世界大戦や第二次世界大戦などの戦争によって農地、工場が破壊されたことにより『R』の部分が極端に下降し、資本価値が極端に下がってしまったのです。

また、戦後復興で落ち込んだ経済を立て直すために労働者が汗水垂らして働いていて仕事ならいくらでもあるという状況になりました。

この競争が『G』の労働者の収入の伸びを引き上げたとされています。

つまり戦争によって資産の価値は下がり労働者の価値が上がることによって『R<G』という逆転現象がここ100年あったのです。

そしてこの100年間の外れ値の部分だけをこれまでの経済研究者は見て労働をすれば格差を縮めることができると結論づけたのです。

しかし実際は体感としてお金持ちの資産はどんどん増えていないか?

というのが広がりつつある中で本書『21世紀の資本』という本の中でやっぱり200年調べたら『R>G』でしたという提起をしたのです。

つまり資産を持たないと21世紀は格差がどんどん広がって行くよということを知らしめた本なのです。

そしてこのまま行くと格差はどんどん広がり、取り残された人は給料が上がらないまま物価がどんどん上がっていく負の連鎖に取り残されることになります。

金持ちはどんどん豊かになり貧しいものはどんどん貧しくなる世の中だと言うことですね。

そして、もう年齢による昇給や退職金はなくなってしまったということです。

トマ・ピケティの主張

本書ではトマ・ピケティによるこの不条理な世の中に対しての解決方法として税金が挙げられていました。

ここまでで今の世の中を絶望したと思いますがピケティさんは解決策をちゃんと用意してくれています。

今の状態のままだと相続で得た遺産などでその富はどんどん膨らんでいます。本書ではこのことを『世襲資本主義』と言われています。

また、教育の違いによってここでも格差が生まれます。

教育にお金をかければ能力の高い子供を育てることが出来ます。

ハーバード大学でも親の平均年収は45万ドルと言われておりそれだけ格差がすでに生まれているのです。

つまり親からの遺産や教育資金で人生が決まってしまって逆転の余地が無くなってしまうのが21世紀の末路であると言われています。

その答えというのが所得税全世界共通で資本税をかけようというものです。

所得税に関してはもう少し所得税上げたほうが良いんじゃないというものなので割愛します。

次に資本税というものは資産に税金をかけようと言うものです。

ただ、単純に一つの国で資産税をかけるとお金持ちは海外に資産を逃してしまいます。

そこで全世界統一でかけていこうぜとのことです。

これをすることで富を再分配することが出来、格差は小さくなって行くのです。

ここまで読んで忘れてはいけないことは『21世紀の資本』は学術書であるということです。

こうすると世界って良くなるんじゃないかということです。

本書で得られること

ここまで『21世紀の資本』という本を要約してきました。

ここまで読んでみて政治家さんがやることと思ったり、経済学者の人たちが議論することだから関係ないと思っている方も多いのではないでしょうか?

しかし本書は著名な経済学者やたくさんの政治家の方に読まれた本なのです。

つまり影響を受けてこのような未来が来ることはほぼ確定しているといえます。

それが10年後なのか100年後なのかはわかりませんが確実に議論は繰り返されるでしょう。

つまりこの本は未来を描く『予言の書』といえる本なのです。

未来がわかっていれば対策ができるますよね。

個人的に本書で得ることが出来たことというのはまだしばらく『R>G』は続くということと手に職をつけておくことの大切さです。

まず、R>Gが続くことに関しては資本収益率は2100年までの計算では4.2%まで上がる予想がされています。

世論の反対なども大きいの税金は上げづらい状況なのでしばらくは株や債券などの資産を買い増し続けるのが良いのではないかと思います。

長期積み立て投資はこちらの記事を読んでみてください。

また、手に職をつけることに関しては所得の格差が大きくなって行くことは目に見えているのでものはどんどん高くなって行くけど給料は上がらない社会になっていくでしょう。

この時、テクノロジーに仕事を取られてしまうと這い上がることが出来なくなってしまうので自分でお金を稼ぐことができる能力は必要になってくると思います。

手に職をつけるに関しては『ライフピボット』や『LIFE SHIFT』という本の中でも紹介されています。記事を書いているので読んでみてください。

まとめ

『21世紀の資本』という本を要約してみました。

本書は経済学の学術書で各経済学者に大絶賛された本です。

R>Gという分かりやすい公式で経済界に激震をもたらしました。

R>Gとは株や不動産などの資産の方が労働よりも成長が早いという意味です。

なので21世紀は資産をたくさん持っている人が有利な社会になり、格差はどんどん大きくなっていくでしょう。

なのでマクロ経済では所得税や全世界共通で資本税をかけていきましょうという内容の本です。

本書は経済学者たちに絶賛されてのでこういう社会になっていく確率が高く、預言書です。

ただ、それは遠い未来の話であると思うので長期の積み立てや、自分で食べていけるだけの能力を持っておくことが大切であると思います。

-参考図書-

以上