【本の要約】『お金の流れでわかる世界の歴史/大村大次郎著』世界株?米国株?【感想・書評含】

    目次

    お金の流れでわかる世界の歴史

    今、巷では資産運用としてインデックス投資が流行っていて株を買うなら全世界株か米国株かを悩んでいる人が多いのではないでしょうか?

    どちらも正解と言われても判断は自分でしないとならず、迷ってしまいますよね。

    そんな判断ができないという方は『お金の流れでわかる世界の歴史』という本がおすすめです。

    本書は直接的な答えが見つかるわけではありませんが世界の覇権(はけん)がどんどん移り変わっていく様子を世界の歴史を通じ、紐解くことができる良書です。

    資産運用についてはよくわからないという方はまず『【FIREとは?】働かないで生きていく方法』の記事を読んでみてください。

    本書の結論から言うと全世界株を選んだ方がいいでしょう!

    理由は経済の中心はどんどん移り変わり覇権を握った国が経済を回すようになるからです。

    本書の流れとしては経済の中心であった国が誕生するところから滅亡するところまでをダイジェストに書いてあり経済の中心となった

    古代エジプト→古代ローマ→イスラム→モンゴル帝国→スペイン・ポルトガル→ヨーロッパ→イギリス→アメリカ

    までの栄枯盛衰(えいこせいすい)をわかりやすく丁寧にえがいてあります。

    また国の滅亡するパターンなども書いてあるので経営者などの運営方針などにも重要なヒントが隠されているでしょう。

    本書を書いたのは大村大次郎さんで元国税調査官の方でお金の専門家です。

    そして、退職後はフリーライターとして活躍されていてドラマの『マルサ!!』や『ナサケの女』の監修等でも活躍されています。

    また歴史ライターとしての一面もあり、歴史本を30冊以上も執筆している実績もあるのです。

    では本書の内容を見ていきましょう。

    古代エジプト・古代ローマは”脱税”で滅んだ

    古代エジプト

    本書は最初に説明したとおり経済の中心であった国が誕生するところから滅亡するところまでをダイジェストに書いてあります。

    そして経済の中心となった古代エジプト→古代ローマ→イスラム→モンゴル帝国→スペイン・ポルトガル→ヨーロッパ→イギリス→アメリカの栄枯盛衰(えいこせいすい)が書かれています。

    まずは経済が始まったとされる古代エジプトについて見ていきましょう。

    古代エジプトのすごいところは徴税制度にありました。

    みなさんも古代四大文明の一つとしてエジプト文明というのがあることを聞いたことがあるのではないでしょうか?

    この古代エジプト文明が3000年もの間栄え続けたのかと言うのは一般的な教科書ではナイル川が氾濫して土に栄養が回るからだとされています。

    ただ本書はお金の観点から別の見解をしています。

    それが徴税制度(ちょうぜいせいど)です。

    この頃の一般的な徴税制度というのが国から徴税する人に徴税の権利を売ってその徴税する人が民にお金を徴収するという制度でした。

    つまり徴税する人の儲けは手数料だったのです。

    しかし古代エジプトはこの制度ではなく徴収する人に給料を与えて民から税を回収したのです。

    いわゆる現代の公務員のような仕事になったのです。

    この制度は現代にも通じる徴税制度で我々からしたら当たり前の制度ですよね。

    このシステムを上手く作ったからエジプトは3000年もの間栄え続けたのです。

    では前者の国から徴税する人に徴税の権利を売ってその徴税する人が民にお金を徴収するという制度の何がだめなんでしょうか?

    これは儲けが手数料になってしまうので民から多く税を徴収した人が私腹を肥やす制度になってしまいます。

    このような悪代官のような人が増えて王の反対勢力ができたり、私腹で豪遊し民が貧困になると国家が滅ぶのです。

    現に、3000年続いたエジプトが滅んだのもこういった徴税制度を変え中から腐敗したことが原因ですし古代ローマ帝国が滅んだのもこの徴税制度が裏にあったからなのです。

    歴史は繰り返すとはよく言ったものでこの徴税制度は中世まで国が滅ぶ王道パターンとなっていたのです。

    • 中世までの国が滅ぶ王道パターンは徴税制度にあった。
    • 徴税する人に徴税の権利を売り民から徴税してもらうと私腹を肥やす原因になる。
    • 古代エジプトでは徴収する人に給料を与えて民から税を回収する新しいやり方で栄えた。
    • 最後は古代エジプトも古代ローマも徴税制度を元に戻して滅んでいった。

    モンゴルとイスラムが「お金の流れ」を変えた!

    イスラム帝国

    次の時代はイスラム帝国です。

    日本人にはあまり馴染みが無いかもしれませんが世界三代宗教はキリスト教、仏教と今回の主役イスラム教なのです。

    これくらい世界で大きな影響力を持つイスラム教がなぜここまで大きくあったのかという話が本書で書かれています。

    結論から言うと減税です。

    もちろん経典が良かったとか教えによって救われた人が多いなど理由はたくさんありますが本書はお金の観点から見た世界史です。

    イスラム教は教祖ムハンマドによってできた宗教で時代背景としては古代ローマが今滅亡するときでした。

    先程も言ったように国家の滅亡は徴税制度による国の腐敗が大きな原因なのですがこのときのローマの民も重すぎる税に苦しめられていたのです。

    そんな中でイスラム教の教祖が打ち出したのがイスラムに改宗すると税金が免除されるというキャンペーンでした。

    これによって人がどんどん増えていきキリスト教、ユダヤ教の母体であるパレスチナを占拠するまでに至ったのです。

    ユダヤ教については『【ユダヤの商人の要約】究極のお金儲けの法則【藤田田】』でも軽く触れているので読んでみてください。

    ただこのままだまっているキリスト教ではないので最終的にはなんとかパレスチナを奪還し返すことに成功するのですが中東で大きな勢力を持っているイスラム帝国は変わらず現在にも残るイスラム教が爆誕したのです。

    ただイスラム帝国もムハンマドなき時代には税の管理ができず最終的には徴税請負人(ちょうぜいうけおいにん)を雇ってしまったのです。

    つまり失敗するタイプの徴税制度にしてしまい王道パターンで滅んでしまいました。

    ただ、この源流を残したままのちのオスマン・トルコへとなっていきキリスト教との胡椒をめぐる大航海時代へと時代は進みます。

    モンゴル帝国

    そして13世紀になるとチンギス・ハン率いるモンゴル帝国が大きくなっていきます。

    モンゴル帝国の覇権を握ったのは騎馬隊が強すぎたというのもありますが大きな理由としては文化を容認するという柔軟性にありました。

    つまりそれぞれの宗教や文化は自由にやっていいよ。という柔軟な対応と抵抗したら虐殺をするが降伏をする地域は寛容に接していったのです。

    これによって文化や宗教を破壊せずに大きな領土を手に入れたのです。

    しかし、モンゴル帝国はチンギス・ハンなきあとは政権の基盤を作れず分裂し崩壊していったのです。

    • イスラム教の誕生は高い税システムから。
    • 腐敗した政府の高い税金より新しい安い税金が台頭し、宗教や文化を作っていく。
    • もといる文化を否定しないことが事業拡大のコツ。
    • ワントップより政権システムを構築することが長期政権に必要なこと。

    「世界経済の勢力図」を変えた第一次世界大戦

    その後、海へと早く出たスペインやポルトガルが覇権を握り大航海時代へと突入し、ナポレオンの活躍でフランスが圧倒的な力を見せたり、工業化にいち早く成功したイギリスによって大英帝国が世界の覇権を握ったりとヨーロッパでの覇権争いが激化します。

    詳しくは本書に書いてあるので読んでみると面白いと思います。

    特に大英帝国の躍進は文明の力というよりも債権をうまく使ってお金を集めていた話はかなり勉強になります。

    現代史で大きく取り上げられるのは第一次世界大戦第二次世界大戦です。

    産業革命に成功したイギリスは栄華を極めていましたが栄枯盛衰(えいこせいすい)の波は続きます。

    第一次世界大戦

    第一次世界大戦の引き金となったのは一般的にはサラエボ事件がきっかけでこれはオーストリアの大公がセルビア人の青年に暗殺されるという事件です。

    しかし金融事情を見てみるとこのとき大きな変化がありました。

    それはドイツの急激な経済発達です。

    本書ではその裏側にある各国のお金事情から二つの世界大戦を見ていきます。

    1870年代、世界の工業シェアはイギリス32%、ドイツ13%と圧倒的なシェアがありました。

    しかし、第一次世界大戦の開戦直前の1910年はイギリス15%、ドイツは16%となっていました。

    これに驚異に感じていたイギリスはフランス、ロシアは手を組んで大公が暗殺されたことを大義名分に戦争へと突き進んだのです。

    第二次世界大戦

    続いて第二次世界大戦についてです。

    第二次世界大戦はアメリカが参戦したことが有名です。

    第一次世界大戦で敗戦したドイツは多額な借金を負うことで不満が募りそれをバネにヒトラーなどを生み出すこととなります。

    ヨーロッパで大きな戦争をしている中でアメリカは最初見ているだけでした。

    一般的にはドイツがヨーロッパで暴れているから世界の警察であるアメリカが動いたとあるのですが本書はお金の視点から世界を見ています。

    経済的な視点から見るとドイツが「欧州新経済秩序(おうしゅうしんけいざいちつじょ)」という今後、経済こうしてこう!という発表をしたのです。

    当時のアメリカはゴールドラッシュで金がよく取れて経済的にも乗っていたのですがそれとは逆に行く発表だったためアメリカはイギリス側についたのです。

    また日本も「東亜新秩序(とうあしんちつじょ)」というアジアの金融にも同じようアジアで回す計画を出し、アメリカは都合が悪かったのでこれもイギリス側につく追い風になりました。

    その結果、アメリカが戦勝国となり本土決戦が多かったヨーロッパをおいて世界の覇者となったのです。

    つまり経済的なメリットがあったのでアメリカは戦争に参加し、うまく波に乗った結果世界の覇者へと上りつめ、今の経済大国アメリカがあるのです。

    • 大航海時代・フランス・産業革命を経てイギリスが覇権を握る。
    • 経済的なメリットがあり戦争への参加を決めていた。
    • 今のアメリカの覇権は第二次世界大戦の延長線上にある。

    解説

    ではこの栄枯盛衰(えいこせいすい)の波はこれからどうなるのでしょうか?

    税の徴収方法から始まり宗教や文化の変化、経済的なメリットなど覇権は歴史を見ていくと大きく変化してきました。

    現在、資産運用としてインデックス投資が流行っています。

    これは指数に連動して指数全体の株や債券などの投資商品を買うものなのです。

    そんな中、米国だけに投資をしていることが正解なのでしょうか?

    もちろん正解がわかるわけではありませんがリスクヘッジとして他の国が覇権を取ることも可能性に入れていてもいいのではないかと当ブログ筆者はこの本を読んで思いました。

    資産運用を始めたいという方は『【SBI証券】安定した資産運用をするにはどうすればいいの?』を読んで見てください。

    王道の投資のやり方を解説しています。

    まとめ

    お金の流れでわかる世界の歴史という本の要約をしました。

    本書はお金という観点から世界の動きを見た本で覇権がどんどん移り変わっているということが書かれています。

    大きく分けると

    古代エジプト→古代ローマ→イスラム→モンゴル帝国→スペイン・ポルトガル→ヨーロッパ→イギリス→アメリカ

    と覇権は変化しています。

    その中には徴税システムから文化や宗教の変化、経済的なメリットが戦争を動かしていた事などボリューム満点な内容でした。

    覇権が変化していくのが世界の常識なので米国株だけでほんとにいいのでしょうか?

    以上

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